黒い霧事件 概要

黒い霧事件は、プロ野球関係者が金銭の授受を伴う八百長に関与したとされる一連の疑惑および事件。新聞報道などをきっかけに、1969年から1971年にかけて相次いで発覚した。日本野球連盟は八百長への関与について野球協約第355条が規定する敗退行為に該当するとの見解を発表。関与が疑われた現役選手には永久出場停止、長期間の出場停止、年俸減額などの処分を下した。また、上記の選手の一部はオートレースの八百長事件にも関与。この事件では現役のオートレース選手19名が警察に逮捕されている。
黒い霧事件

永久追放者を出した西鉄と中日は戦力の低下が見られたが、西鉄は特に著しく、1970年から72年まで3年連続最下位となった上、観客動員も激減して球団経営が完全に行き詰まり、1972年シーズン終了後に身売りされることになった。そして同時にパ・リーグの人気も下降することになった。 なお、この事件の余波で甚大な被害を被った人物にオートレース選手の広瀬登喜夫がいる。広瀬は当時オート界随一のスター選手として全盛期であった1970年10月に逮捕された事でオートレース界を追われ、30代前半という選手として最も充実する筈の時期を4年半以上に渡って裁判闘争に費やす羽目になった。冤罪であったとして控訴審で無罪判決を得てこれが確定し、オートレース選手としてようやく復帰がかなったのは1975年10月で、逮捕から実に丸々5年を費やした。 また、野球界では高山勲が大洋を退団処分された後に鬱病を患い、1978年に睡眠薬自殺した。1980年代に入ると、青田昇が野球賭博に関与していたと報道されている。
黒い霧事件 処分内容
選手名 | 所属球団 | 守備位置 | 罪状 | 処分内容 |
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永易将之 | 西鉄 | 投手 | 敗退行為の実行 | 永久追放処分 |
池永正明 | 西鉄 | 投手 | 敗退行為の依頼を受け現金受理 | 永久追放処分 |
与田順欣 | 西鉄 | 投手 | 敗退行為の実行と勧誘 | 永久追放処分 |
益田昭雄 | 西鉄 | 投手 | 敗退行為の実行と勧誘 | 永久追放処分 |
小川健太郎 | 中日 | 投手 | オートレース八百長に参加 | 永久追放処分 |
森安敏明 | 東映 | 投手 | 敗退行為の依頼を受け現金受理 | 永久追放処分 |
村上公康 | 西鉄 | 捕手 | 敗退行為の勧誘を受け、報告せず | 1年間の野球活動禁止 |
船田和英 | 西鉄 | 内野手 | 敗退行為の勧誘を受け、報告せず | 1年間の野球活動禁止 |
葛城隆雄 | 阪神 | 内野手 | オートレース八百長に参加 | 3ヶ月の期限付失格選手に指名 |
桑田武 | ヤクルト | 内野手 | オートレース八百長に参加 | 3ヶ月の期限付失格選手に指名 |
成田文男 | ロッテ | 投手 | 野球賭博疑惑のある暴力団と交流 | 1ヶ月の謹慎処分 |
坂井勝二 | 大洋 | 投手 | 暴力団と交流 | 無期限出場停止と減給処分 |
江夏豊 | 阪神 | 投手 | 野球賭博疑惑のある暴力団と交流 | 戒告処分 |
三浦清弘 | 南海 | 投手 | 敗退行為の勧誘を受け報告せず | 戒告処分 |
田中調 | 東映 | 投手 | 敗退行為の勧誘を受け報告せず | 厳重戒告処分 |
基満男 | 西鉄 | 内野手 | 敗退行為の勧誘を受け報告せず | 厳重注意処分 |
高山勲 | 大洋 | 投手 | オートレース八百長に参加、勧誘 | 事実上の永久追放処分 |
田中勉 | 中日 | 投手 | オートレース八百長に参加、勧誘 | 事実上の永久追放処分 |
佐藤公博 | 南海 | 投手 | オートレース八百長に参加、勧誘 | 事実上の永久追放処分 |