プロ野球の事件史 〜問題・不祥事・乱闘〜

掲載内容

この度は訪問していただきありがとうございます。当サイトでは日本のプロ野球で起きた事件・騒動・問題などを取り上げています。懐かしい記事も掲載しているので、当時を思い出しながら楽しんでいただけたら幸いです。

黒い霧事件

黒い霧事件は、プロ野球関係者が金銭の授受を伴う八百長に関与したとされる一連の疑惑および事件。新聞報道などをきっかけに、1969年から1971年にかけて相次いで発覚した。 日本野球連盟は八百長への関与について「野球協約第355条が規定する敗退行為に該当する」との見解を発表。関与が疑われた現役選手には永久出場停止(追放)、長期間の出場停止、年俸減額などの処分を下した。 また、上記の選手の一部はオートレースの八百長事件にも関与。この事件では現役のオートレース選手19名が警察に逮捕されている。

プロ野球脱税事件

名古屋市の経営コンサルタントと会社役員の二人が、新人のプロ野球選手に所得税の一部を免れるよう持ちかけ、税申告を引き受けた。そして、経営コンサルタント名義の偽の領収書で架空経費を計上したり、経営コンサルタントに架空の顧問料を支払ったことにして数百万円から数千万円の所得を隠した事件。多くの選手が、かつて所属した学校や社会人チームの監督などに、プロ入り時に受け取る契約金の中から多額の謝礼を支払う慣習の存在が明らかとなり、世間を騒然とさせた。脱税行為そのものは1994年前後に行われていたものだが、1997年末に事件の全容が明らかとなった。 1998年2月6日までに起訴された全選手の判決が下り、2月9日にコミッショナーは各選手の処分を発表したが、最も重い選手で一軍の公式戦開幕日から出場停止8週間という処分に、各方面から「甘いのでは?」との批判もあった。この処分が甘いとされたのは、黒い霧事件で有罪判決はおろか刑事訴追すらされなかった池永正明が永久追放処分を受けたのと比較してのことである。 名古屋地方裁判所の裁判で、被告人である鳥越裕介が「世間を騒がせてすいませんでした」と陳述したところ、裁判官は「あなたは脱税という法律違反を犯し、その罪を悔いて反省すべきなのだ。『世間を騒がせたから申し訳ない』という言葉からは本当に罪を自覚しているのか極めて疑問だと言わざるをえない」という厳しい言葉を返した。判決を言い渡した時、裁判長の川原誠は「例え、鳥越被告人が打率.300、.350打っても、山田被告人が15勝挙げようとも関係ない。社会人として、してはならないことを忘れてしまうとグラウンドで活躍できなくなる」という言葉を添えて両被告人を諭した。 有罪判決が言い渡された山田はプロ入り時に、高校や社会人時代の監督、球団スカウトに対する謝礼金を支払ったことが脱税の直接の原因であると、事件の主導役であった会社役員の証言で明らかになった。このことから中日は、山田側から謝礼金を受け取ったとされる法元英明を厳重戒告処分とした。 なお、この事件はプロ野球選手のみならず、事件の中核となった名古屋市を本拠地とする名古屋グランパスエイトに当時所属していた平野孝もこの脱税事件に関与していたことが明らかになっている。 大半の球団は出場停止期間中でも二軍の試合に出場し選手の調整を図っていたが、横浜は二軍も含めた試合に一切出場させず、練習への参加も禁止するなど厳罰措置を採った。