巨人・ガルベス投手が審判へボールを投げつける / プロ野球の事件史

ガルベス 審判への暴挙

バルビーノ・ガルベスは台湾で2年連続ふたケタ勝利をマークし、1996年にテストを受けて巨人に入団。ガルベスは当初、それほど注目された選手ではなかった。しかし、1年目でいきなり16勝を挙げ、最多勝タイトルを獲得。翌年もチーム最多タイの12勝をマークし、巨人投手陣の柱となった。そして1998年、ガルベスは順調に勝ち星を積み重ね、7月30日時点で7完投を含む9勝を記録。無名だったガルベスは、巨人史上最高の外国人投手とまで呼ばれるようになった。しかし、ひとつの事件を境に、ガルベスの野球人生はガラッと方向を変えてしまう。

甲子園での阪神戦。6回裏、坪井智哉に投げたカウント2-1からの球をボールと判定され、ガルベスは不服そうな態度をとる。 そして次の投球を本塁打にされると、橘高主審にクレームをつけた。すぐに巨人・長嶋監督はマウンドに向かい、投手交代を告げ、 ガルベスにベンチへ戻るよう指示。しかしガルベスは怒りが収まらず、ベンチ前で振り返り、橘高めがけてボールを投げつけた。この行為に激怒した橘高はガルベスに駆け寄り、ベンチ前で審判・選手入り乱れるもみ合いに。結果、ガルベスは退場を宣告され、シーズン残りの出場停止処分が下された。その後、復帰した翌年には巨人史上初の外国人開幕投手を務めるものの、勝ち星に恵まれず、2000年に退団。ちなみにガルベスを最後に、巨人が自前で獲得した外国人選手で、シーズン10勝をマークした投手は現れていない。

バルビーノ・ガルベス 年度別投手成績




















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1996
28 27 12 3 0 16 6 0 .727 838 203.2 186 18 59 2 9 112 5 0 74 69 3.05
1997 27 27 8 2 2 12 12 0 .500 771 192.2 165 16 48 2 5 118 3 0 77 71 3.32
1998 18 18 7 0 0 9 7 0 .563 588 137.1 136 10 39 2 9 85 1 1 57 49 3.21
1999 27 27 7 2 1 9 12 0 .429 776 187.0 174 19 51 4 6 106 1 1 85 76 3.66
2000 6 6 0 0 0 0 6 0 .000 133 30.1 34 3 6 1 2 22 1 0 19 11 3.26
通算:5年 106 105 34 7 3 46 43 0 .517 3106 751.0 695 66 203 11 31 443 11 2 312 276 3.31

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